●盲腸の自己診断はあっていた
プエルト・ナタレスの宿で寝たきりになって2日目。パイネ国立公園でトレッキングしたいのに何もできない。
病院へ行く準備を始めると、もがき苦しむ痛みが襲ってきた。右腹部が猛烈に痛い、これって盲腸じゃない?と思う。
町に1つの病院へ。血液検査、尿検査の結果を点滴しながら待つ。
英語の話せるお医者さんが、最近食べたものなど質問する。
思い切って、「盲腸apendicitisじゃないですか?」とお医者さんに聞いてみる。「なんで?」って医者が聞くので、
「日本では、右腹部が猛烈に痛む場合、盲腸を疑うんです」と説明したら、「へぇー」って顔をされた。
5時間待った結果、「盲腸の疑いがあるので、プンタ・アレーナスの病院へ今から搬送します」と言われる。
「盲腸の場合は、すぐ手術することになります」と説明され、「手術したこと無いので、薬で散らして下さい」
と頼むが、「盲腸の場合は、手術です」と断言された。
プンタ・アレーナスまで3時間を救急車で行くという。宿の荷物をまとめるために私も行こうとしたら、
「絶対安静です」と静止された。英語が苦手な夫が、あちらこちら走り回って、手続きや荷物を準備してくれる。
●救急車搬送、そして手術
痛み止めも効かず、激痛で意識が飛びそうになる。
21:00過ぎ、プンタ・アレーナスの病院に到着し、アメリカのドラマみたいに、救急車から救急病棟に運ばれる私。
手の甲に点滴の針をブスッとされて、あまりの痛さに意識が戻った。そこへ英語を話すスタッフ登場。
「頑張ったね〜、君は強い女性だ、でももう大丈夫だよ」って励ましてくれた。
彼は、外国人患者をサポートするスタッフで、5ヶ国語できる。
エコー検査を受け虫垂炎の疑いが強いので、全身麻酔の上内視鏡検査をし、虫垂炎の場合は手術することになる。
もう抵抗はできないので、「助けてください、お願いします。」としか言えない。
23:30手術室に向かう。緑の手術着をまとったスタッフ数名がいる、いわゆる手術室。 TVで見てたのと同じだ。
全身麻酔を打たれ、医者が麻酔の効きを確認している。まだ効いていないみたいで、痛みを感じる。
麻酔を追加されたみたいで、その後の記憶は全くない。
誰かが体を揺すり、話しかけてくる。目を開けると看護婦さんが「手術終わりました」と言う。
猛烈に眠いのに、また起こされた。心配そうに夫が見てる。「あ、ただいま」
「良かったよ〜、大丈夫?1時間の予定が、2時間半もかかってたから心配したよ。」と夫。
時間の感覚なんてないので、そんなもんかと思って、とにかく麻酔が効いていて眠い。
搬送前の様子
搬送に使われた救急車
ハイテクなベットと病室の様子
●8日間の入院生活
2人用の個室を夫と2人で使う。トイレ・シャワー・TV付き。4食付で夫にも食事が配られる。
旅始めてから最高待遇の宿?。手術後の痛みもさほど無く、快適な病院生活。
手術翌日は寝たきりなので、介護師さんが体を拭いたり、洋服を変えてくれる。
執刀医が手術結果を説明をしてくれる、「虫垂炎で、破裂寸前の手術ができてよかったです」と。
更に「数日は絶食です」と悲しいお告げがあった。昨日から何も口にしていないのに、絶食。代わりに大量の点滴。
食欲があるのに、絶食とは厳しい話。翌日47時間ぶりに食べたクラッカーとゼリーの美味しかったこと。
この病院はクリニックと言って、私立病院。だから施設も綺麗だし、サービスも行き届いている。
看護婦さんのチェックが1日に5回以上、他にも部屋の清掃、食事など、毎時間誰かが来るので、ちと疲れる。
4日目からは、リハビリのために、セラピストがやってきた。手術で弱った体をどうやって回復していけばよいか、
呼吸法や、軽いストレッチ、また一緒に歩く練習もしてくれる。これには、びっくり。
今の日本の医療事情を知らないけど、かなりトップクラスの待遇な気がする。チリで手術して良かったかも。
6日目:やっとまともな物が食べれる
通訳のジョンとドクターのカルカモ
病院概観:大変お世話になりました。
●保険に加入してなければ、破産
加入してる保険会社に、費用概算を聞いてみた。なんと160万円、保険加入していて良かった。